こんにちわ、茜屋太郎(旧名トリン)です。
一昨日、またまた宮崎駿 監督の「魔女の宅急便」がテレビで放送されてましたね。
スタジオジブリの作品が好きで、ユーミンこと松任谷由実さん(本当は荒井由実LOVE)な茜屋にとって外せない傑作!
というわけで今回は、
「魔女の宅急便」の余韻を酒の肴に、タロット占いのリーディングに必要なスキル「シンボリズム」というキーワードについて書いてみます。
【タロット占いのリーディングに必要なスキル】隠された扉を開くには、神話学や西洋隠避学などの「シンボリズム(象徴)」が役に立つ
「魔女の宅急便」の前に、まずはボクの座右の銘である小説の話をしますね。
村上春樹/ダンス・ダンス・ダンス
→ ★新月とパワースポットと占星術♪ 村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」 辻堂海岸&ソーラーアーク
この本がボクの若かりし頃の「生」に対して与えた影響は計り知れません。
今でも数年に一度は本棚から引っ張り出すヘビロテで、読む度に新発見アリな愛読書です。
それでは、神話学のシンボリズム(象徴)を通じて「ダンス・ダンス・ダンス」と向き合ってみます。
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以下、ネタバレがあります。
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同著タイトルにある「ダンス」という言葉ですが、神話学でいう【インドのシヴァ神】のシンボリズムにリンクする事象ととらえることができます。
そこから、「死を通した生」という神話の普遍的なテーマが導き出されます。
いきなり同著のテーマとシンクロしましたね!
実際、神話学や西洋隠避(いんぴ)学などを用いて読解すると、難解な物語の深淵へ安易に辿り着けるケースがあります。
例えば、同著に登場する「羊男」というキャラクターは、
・主人公の潜在性・内面/ライダー版タロット【No.8 力】内のシンボル「ライオン」
・冥界(アッチの世界)と現実(コッチ側)をつなぐシェヒナー/ライダー版タロット【No.2 女教皇】
という2つの役割を担っています。
特に、後者のシェヒナーとしての羊男の役割は重要です。
2つの世界の中間にある「あの部屋(旧いるかホテル)」で、もつれた糸によって上と下(現実と冥界)をつなぐ門番として描かれています。
ヘルメス思想がバリバリに描かれていますね。
村上春樹/ノルウェイの森
同じく村上春樹さんの代表作である「ノルウェイの森」も、同じ観点から読解してみます。
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以下、ネタバレがあります。
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ボクの歴代彼女さん達から・・・
「最後に主人公がレイコさんと寝るのがイミフ(意味不明)やねんけど?」
と、毎度まいど物語終盤のある行動についての説明を求められました。
その度に、
・異界から現実世界へ戻るための「儀式」、もしくは「エネルギーの点火 or 補填 or 確認作業」
・王の帰還=男女の交わりからの「新しい命の誕生(2人がそれぞれ現実へ帰って行く為の蘇り・復活)」
と答えていました。
特に、後者の「王の帰還」という点でみると、それこそ神話の普遍的なテーマからの構造を借りて物語が組み立てられているようです。
ちなみに、、、
米国の映画監督 ジョージ・ルーカス原作・脚本「スター・ウォーズ」も神話を有効的に活用しています。
心理学者 C.G.ユングの云う「集合的無意識」や「元型論」を通じてオーディエンスとのシンクロを狙って作られているのは有名な話ですね。
タロット No.8/力の「ライオン」と、山月記の「虎」
先に、村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」に登場する羊男をライダー版タロットの【No.8 力】に描かれたシンボル「ライオン」と記しました。
ここでは、それ以上にボクが【No.8 力】のカードに親和性を感じている物語を紹介します。
中島敦/山月記
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以下、ネタバレがあります。
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【No.8 力】、、、
図像学的に云えば、古代ギリシャの徳目、更に時を経たローマ時代では、ギリシャ×ローマ神話のヘラクレスetc…が源流だと云われています。
面倒なので、その後ライダー版までの変遷モロモロは割愛しますが、現在では元型的な意味で「忍耐」とか「エゴを克服する精神力」なんてキーワードが当てがわれいるようです。
画像の通り、大きなライオンがインパクトありますよね~。
タロット占いのリーディングに有効な数字というシンボル
17年前にボクがライダー版タロットと出会った時・・・この【No.8 力】って、中島敦 著「山月記」に出て来る主人公/李徴やん!?って思ったんです。
面白い事に、作者の中島氏の出生が1909年。
「1909年」にピンっと来たあなた、なかなかのタロット・オタク!
そう、1909年と云えば、A.E.ウェイト×P.C.スミス両氏によるエポック・メイキングなタロット・カードが英国で発表された記念すべき年じゃないですか。
タロット占いにとって大切なシンボリズムには、もちろん数字も大いに含まれていますよ。
奥様、よろしくて?
心理学者ユングとのシンクロニシティ
茜屋さんが【No.8 力】をリーディングする際、「山月記」も照合しています。
洋の東西を問わず、そのシンボリズムには同じ意味が与えられておりますので・・・非常に整合性が取られているので矛盾はないはず。
ローマ・カトリックの世界では、ライオンは当時のヨーロッパにおいて憧れの存在(スフィンクスなんかは1つの好例)であると同時に、一方でそのチカラのネガティブな点に注目すれば、人間の抑えられない心=「お前は獣か!?」という野蛮、暴力、粗野、堕落etc…な面をライオンで表現してます。
まぁ、人間だったら老若男女に関係なく、誰もが多かれ少なかれそういう面って持ってるでしょ?
え?あなたにはそんなもの無いって??
嘘いっちゃダメ!!
例えば、「疲れたなぁ~。ノルマはクリアしてないけど、今日はこの辺りで・・・」
・・・なんて、ラクな方に甘えちゃう自分って居るでしょ?
それですよ、それ!!
「山月記」では、主人公の李徴はエリート官僚だったんだけど・・・詩家として大成しようと公務員を辞めちゃいます。
でも李徴は自分に負け、夢破れ、己の闇に食われ、「闇=虎」に支配され・・・遂には本当の虎になって世を捨てて消えてくってお話。
そこに、「自意識」ってキーワードが出て来るんですよ。
ね?ライダー版【No.8 力】と同じでしょ?
まぁ、差異があるとすれば、【No.8 力】は「女力士」とも言われてる通り、女性性のカード。
対して「山月記」の虎は男性性なんだけど・・・
中世のヨーロッパと中国。
もちろん既に人・物・金・情報の行き来があったであろうし、物事に対する概念的な”共通の型”も出来上がってたにせよ・・・
ボクがタロットと出会った時に、ライオンと虎のシンボリズムにおけるシンクロニシティの面白さに素直に関心&感嘆しちゃったんです。
それは、今まで「怪しいし、ちょっとスピに寄り過ぎでしょ?」って不信感を向けていた心理学者ユングとボクがシンクロした瞬間でもあったんです。
彼の提唱した数々のキーワードの有用性を、その時まざまざと見せつけられた気がしました。
宮崎駿×スタジオ・ジブリ「魔女の宅急便」のキキにおける魔法の喪失
お待たせいたしました。
やっとこさ、宮崎駿 監督の映画「魔女の宅急便」の登場です。
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以下、ネタバレがあります。
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「自意識」というキーワード
物語の中盤以降、起承転結でいえば「転」のパートに焦点を当てます。
ある日 突然に魔法の力が弱まってしまう魔法使いの女の子/主人公キキ。
パートナーである黒猫ジジとも会話できなくなり(隠避学的にクロネコは魔女の使い魔であり、美術的には魔女のアトリビュートですね)・・・ほうきで空を飛ぶことさえできない・・・
それはそれは、魔女である彼女のアイデンティティを全否定するような、苦しく辛いシーンの連続。
さて、先ほどと同じく神話のモチーフを借りていえば、それらは
・通過儀礼=社会進出による子供から大人への成長段階における停滞期、より高く、大きく羽ばたくための充電期間=試練
とも云えます。
しかし今回は視点を変え、映画的(シナリオ)な面から見ていきますとそこには、、、
「自意識」がキーワードとなって魔法を失うって構造
が見えてきます。
例えば、ニシンのパイに対する酷い態度をとった同年代の女の子(勿論、バックボーンとして彼女の祖母との交流はポイント)。
同じく、彼女のトンボに対する関係性=淡い恋心と嫉妬ともとれますし、第2次成長期の揺れる精神性とも関連してきます。
そして、より大きな問題として、主人公の置かれた状況(急激な環境の変化)を抜かすことは出来ません。
それらを通じて、キキは今まで感じたことが無かったであろう感情の濁流に飲み込まれ、支配されていく・・・
現実に目の前で起こる数々の事象と、自分の心。
自分の成長に伴う新しい感情との向き合い方を知らない彼女は、それらを受け取るだけの器がまだ無かったのかも。
次のターンを迎えた(大人の階段を昇る扉を開けた)キキは、それらを処理できず、負のサイクルへと・・・
タロットで云えば、まさしく【No.8 力】にシンボライズされるラインオン=獣に魂が飲み込まれた状態であり、「山月記」で云えば、虎になりかかった李徴と同じモード・・・
それと、
「自意識」と言うと、とかく内省的だと主張する方々がいらっしゃいますが・・・
当然それは正論なのですが、ボクから言わせて頂けばそれだけでは役不足ではないかと。
つまり、
結局は人間って集団でしか生きられない生物だから、「自と他」って対立原理、二元論を避けては通れない
ですよね、良い悪いとかの問題じゃなく。
但し、
対立原理って、反目し合うだけが目的じゃなく、その裏にある「補完作用」を忘れちゃったら意味が無い
そういう意味では、
・自分と他人
・自分と社会
・自分と自分
自分(自意識)を揺さぶるものとの対峙こそが成長へのトリガーとなっていく
それって、いわずもがなです。
この対立原理を神話サイドから言えば、とっ~~てもポピュラーなシステムなんですよ!
「男女の交わり」から新たな生命の誕生ってシンボリズム
その源泉はピタゴラスやプラトンにまで由来するんだけれども・・・
ちょいと後発な錬金術の賢者の石なんかも、簡単にいえば男女の交わりからのエーテル誕生を謳ってるんですよね。
古代・中世ヨーロッパ(と、忘れてなんないのが中東も必ず経由して含むの)では、割と普遍的なモチーフです。
ユングの言う集合的無意識って意味では全世界的であり、哲学、伝承・思想なんかも含め普遍的テーマであるのですが。
閑話休題。
色々な人の応援や助け、愛があり、かつトンボを救うためのクライマックス・シーンを経ての・・・
「男女の交わり=自分と他者、自分と自分」の「統合」に成功するキキ!
もうネ・・・感動ですよね。
あと、”ほうき”を神格化せずに単なるTOOL・・・ってか、相棒とかそっちか? とした宮崎監督の演出に拍手!!
宮崎駿 監督の作品の素晴らしさって、そこに内包(意図的に隠した!)された様々なテーマや思想、哲学、メタファーなどの小さなエネルギーの囁きを感じられることだと思うんです。
それは、ユーミンこと松任谷由実さんの歌の世界も全く同じ。
だからこそ、老若男女、時代や地域を超えて愛されるのではないか、と。
あ!
それって、、、
A.E.ウェイト氏がライダー版タロットに詰め込んだものと同じではっ!?
【タロット占いのリーディングに必要なスキル】隠された扉を開くには、神話学や西洋隠避学などの「シンボリズム(象徴)」が役に立つ
はい、だからタロット占いのリーディングに「シンボリズム(象徴)」というスキルを加えると、タロットの深淵にたどり着くことができるんです。
ライダー版タロットのシンボリスムにもイロイロありますが、下記のエントリーに大前提のシンボリズム(象徴)を付与して契約を行う方法を書いています。
ご参考にして頂ければ幸いです。
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→【無料・タロット占いのリーディング上達法】No.13死神【必読】
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